「明日の高崎」荒木征二

高崎市議会議員・荒木征二の日々を書き連ねています。

9月定例会・一般質問

 早いものでもう、彼岸入りです。とはいえ連日30℃越えの猛暑続き。このまま夏が長くなり続けるのでしょうか。文明をいたずらに享受し続けたしっぺ返しをまさに体感中の我らですね。

 

 さて、市議会は9月定例会の最中で、今日は子育て・定住促進特別委員会が午後に開会し。明日は市民経済常任委員会の予定となっています。山場ですね。9月定例会ですので決算認定があります。委員会の審議内容も含めて、決算概要は後ほどご報告させていただくとして、今回は恒例の一般質問についてご報告です。

 今回の一般質問はきわめて政策的な内容となりましたが、市民生活にふかく関わることと考え、今回も精一杯の議論をさせていただきました。今回のテーマは、ずばり「水と税」です!

 

【本市の水道について】

 蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水。しかし、この水が安心して口にできるものであり続けるには、実は多大な「経営努力」が必要なのです。今回は、私たちの水道が安心・安全であり続けられるための、高崎市水道局の経営に着目して議論してみました。そして、安定経営にとって私が特に着目した指標が「有収率」です。これは、水道局がつくった水道水の全量に対し、実際に収益に繋がった水量の比率です。実は、高崎市水道はこの有収率が近年低迷しています。これには様々な理由がありますが、なんといっても大きいのは漏水です。市内にはまだまだ老朽した給水管が多く残され、漏水が頻発しています。決算資料によると、年間で600万㎥もの水(浄化された後の、飲める水が!)が、漏水によってどこえへともなく消えて無くなっています。

 高崎市水道局がこれからも安定して経営し、しっかりと飲み水の安心・安全を守っていくためには、有収率の観点から経営改善をはかることが大切になってくると考えています。

 

【都市計画税について】

 都市計画税というのは、固定資産税の一種で、その名が示す通り、都市計画事業の財源となる目的税です。

 本市ですと、市街化区域と市街化調整区域に区域区分(いわゆる、線引き)をしている、旧高崎市、旧群馬町そして旧新町地域の「市街化区域」の土地と建物に賦課されています。これはいいのです。都市化が進んだ地域に不動産をお持ちの方に応分の負担をお願いするもので、理にかなっていると思います。

 では、その他の地域はどうかというと。倉渕地域は都市計画区域外なので別としまして、旧箕郷町、旧榛名町そして旧吉井町の地域なのですが、旧箕郷町と旧榛名町の地域は都市計画税が賦課されていないのに、旧吉井町の地域にだけ都市計画税が賦課されているのです。なぜか? ぜひ、一般質問における市の答弁をお聞きいただき、皆さまなりにお受け止めをお願いしたいと思います。私は、「税は絶対的に公平でなければならない」と強く信じています。

 

 以上、今回は2つのテーマについて一般質問させていただきました。引き続き、市民の皆さまに寄り添った議会活動を続けて参ります。

 

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市内には古い石綿セメント管が多く残されていて、至る所で漏水が発生しています。

 

防災ラジオ

 連日夏日が続いていて、どこまでも夏が続いていくような錯覚をしてしまうところですが、カレンダーは着実に進んでおりまして、今日は9月の定例会開会日です。この夏もいろいろなことがあって、ドタバタの日々だったはずなのですが、実際に何があって、何がどうしたというとよく思い出せないという健忘状態の荒木です。夏バテが続いているのでしょうか・・

 

 さて、9月定例会のご報告もしたいところですが、今回は防災について少々。関東大震災から100年、今年はテレビでも新聞はじめ多くのメディアが関東大震災を大きく取り扱っていました。私は関連して、藤岡事件・倉賀野事件などがあらためて脚光を浴びていたことが印象的でした。

 本格的な夏が過ぎますと、これから10月にかけて大雨・台風が心配な時期となります。2019年台風19号の記憶はまだ鮮明です。台風19号は、様々な教訓を本市に残しましたが、その教訓の一つ、情報の伝達を取り上げたいと思います。河川氾濫の心配のない地域にお住まいの方にはあまり関心はないかもしれませんが、河川近くに住まう我々にとって、雨量と河川の情報はとても大切です。当時、本市には(一部をのぞいて)防災無線は整備されていませんでしたので。市役所も公用車を数多く出動させて、防災情報を放送してくれていましたが、いかんせん雨が激しく降っている状況で、屋内にいると何を放送しているのか全く聞き取ることができませんでした。テレビでは台風情報を流し続けていましたが、あの時私たちが欲した情報は、「烏川は大丈夫なのか?」の一点でした。もちろん、氾濫の危険に晒されている状況で川の様子を見に行ってはならない、というセオリーはよく知っていましたが、烏川が氾濫するか、その心配があるのかないのか、ピンポイントの情報はテレビは伝えてくれませんので、結果として多くの人が土手を登って烏川の様子を見に行っていたのです。実は私もその一人で批判できる立場ではありませんが、あの時、あの状況におかれた経験のある方は、きっとその気持ちもご理解いただけるのではないかと思います。そして、決定的だったのがインターネットYahooの天気予報で烏川の氾濫危険情報の発令でした。当時の警戒度でたしか「4」というレベル(今は警戒度は改定されています)で、そのタイミングで多くの方が実際に避難行動に移したのだろうと思います。結局、高崎市が私たちに(実際に届く形で)提供してくれた情報はとても小さく、少ないものでした。

 私が台風19号を経験して、つくづく感じたのは情報不足です。それも、地域の人々にとってのピンポイントの情報を、タイムリーな情報をです。ですから私は以来、防災ラジオに注目してきました。実は、私の両親が住まう埼玉県の某市にも防災ラジオが各家庭に配布されていて、よく見てきました。なんとアナログな!と眉をひそめる方もいるかもしれませんが、災害時にアナログほど強いものはないと思っています。本市にはラジオ高崎というコミュニティFMもあることですし、防災ラジオに適した地域性ではないでしょうか。両親の家にある防災無線、防災無線とはいえ結構有益な情報を流しています。感心したのは、「現在◯○地域に特殊詐欺電話が入っていますのでみなさんご注意ください!」というような情報がタイムリーに流れてくるのです!

 

 本市でも複数の議員さんが防災ラジオの採用を訴えておられますが、いまだ実現の見通しは立っていません。画像は先日、伊勢崎市さんが採用方針と伝えた8月の上毛新聞です。高崎市も、他の都市がやっていることはやらない、などとつまらぬことを言わず、率直に必要なことをそつなくできる体質にあらためていってほしいと思います。高崎市には防災ラジオが必要です。もちろん、希望するご家庭にだけ配布すれば良いのです。みなさんはどうお考えでしょうか?

 

 

第3回定例会・一般質問

 改選後初の市議会定例会となる6月議会が始まっています。もちろん、今回も荒木征二は一般質問に登壇いたしました。そしてなんと、2期目にしてようやく、念願の1番くじを引くことができ、トップバッターで一般質問させていただきました。いやいや、やっぱり1番は気持ちがいいですね。いつもよりも少々張り切って入れ込み気味の荒木の一般質問、ぜひご視聴くださいませ。

 

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 通告の1件目は放課後児童クラブについてです。高崎市の放課後児童クラブはだいぶ整備が進みまして、市内に100を超えるクラブがある状況ですが、その特徴は公設民営型がそのほとんである点です。限られた財源の中で、できるだけ放課後児童クラブを整備し、そしてできるだけ低廉な保育料でサービスするための方策であるとは理解しています。が、ここにきて民営型のいろいろな齟齬といいますか、民営であるが故の難しさも表れてきています。そして、荒木が最も懸念しているのが、保護者会の負担の大きさです。100クラブのうちの90以上が公設民営型ですので、これを一気に民営化というのは乱暴な話ですが、保護者会が追っている重責の一部でもアウトソーシングしていければ、保護者の負担をもう少し和らげることができるはずです。

 

 通告の2件目は浄化槽についてです。浄化槽でも合併処理浄化槽の浄化能力はとても高く、災害にも強いことが証明されています。これまではどちらかというと、下水道がないからやむを得ず浄化槽に、というような消極的な意味合いで浄化槽が語られてきたように感じています。しかし、都市の力にも限界があり、高崎市といえど、下水道管網の更新がままならない状況にあります。長期的に高崎市の汚水処理を考えれば、今後はもう少し積極的に浄化槽を語っていくべきではないかと考え、提案も含めて現状と市の考えをお聞きしました。

高崎市のオフィシャルホテル!?

 しばらく前の上毛新聞で報道(2023/5/20)されていました。高崎市が誘致する各種のスポーツ大会の宿泊先を優先確保することを目的に、ホテルサンコーと4月に協定を結び「オフィシャルホテル」とすることとしました。水面下で協議が進んでいたのでしょうか、選挙戦の渦中にあった私たちには寝耳に水の話です。しかし、それだけならまだ良いのです。確かに、年明けにウクライナの選手団をお迎えした際もこのホテルに宿泊していましたので、実績があることも承知しています。

 問題は、このホテルの全客室の床や壁クロス、カーテン交換などのリニューアル事業に対して市が8000万円の補助金を出すという点です。実は、すでに5月19日開会の高崎市議会臨時会で補正予算は可決成立していますので、あとの祭りというか、市議会の不甲斐なさを露呈するだけの情けない話で恐縮するしかありませんが、この件については引き続き追究が必要と考えています。私が考える、この補助金の問題点は次の点です。

 

1.記事にある通り、市とホテルの運営会社とで結んだとされている協定の中身

2.総額1億6千万円のリニューアル工事の中身と、半額8千万円補助することの額の妥当性

3.同時に、市内に数多ある宿泊施設の中からホテルサンコーに対してのみ補助金交付することの公平性

 

 それと、これは富岡市政の常套手段となってきましたが、こうしたいわくありげな議案を臨時会にわざと上程することです。5月の臨時会はもともと、正副議長や常任委員会の構成メンバーを決めるなど、人事に関することを決することを主とする本会議で、慣例的に会期は1日だけです。つまり、臨時会は1日しかないということが分かっていて上程するということは、議案が委員会に付託されないということも分かってしているわけで、怪しからぬ意図の存在をひしひしと感じるのです。

 

 ということで、この記事は自分自身に対するリマインドでもあります。この件についての市民の皆様からのご意見などもいただけたら幸いです。では、引き続き!

 

 

統一自治体選挙・前半戦

 3月31日に告示となりまして、4年に一度の統一自治体選挙が始まりました。ここ高崎市では前半戦として群馬県議会議員選挙が始まっています。

 さて、今回の統一選です。皆さんはどのようにご覧になっているでしょうか。私は、どなたが当選してどなたが落選するかということ以前に『投票率』が気になって仕方がありません。地元紙でもいまいち盛り上がりに欠けるというニュアンスの報道もあり、今回も投票率がとても厳しいものになるのではと危惧しています。

 地方選ではとかく、「興味がない」、「政策がわからない」、「候補者を知らない」などなどの理由から、無関心の気風が広がりがちです。たしかに頷ける部分もあります。毎日いそがしく過ごしているなかで、地方政治にまで関心を向けている余裕はないのかもしれません。

 それでも敢えて、私は皆さんに投票をおねがしたいと思います。なぜなら、投票率が上がれば政治が変わるからです。くわしいメカニズムはまたの機会として、投票率が下がれば下がるほど当選が確実になってくるタイプの政治家という方々が一定数います。そうした政治家は、自分の支援者だけに目を向けていれば、毎回の選挙で確実になってくるので、無理に投票率を上げようとしません。そして、そうしたタイプの政治家で埋められた地方政治は民意に無関心になりがちです。

 ところがこれが、投票率が上がってくるとどうでしょう。「誰々ちゃんと、誰々ちゃんとあそこの社長にお願いしておけば大丈夫」だった選挙が、いわゆる浮動票で勝敗が決してくるようになるのです。そうすれば、政治家たちも市民に目を向けざるを得なくなります。なぜなら、浮動票を確実にいただけるようにならないと、次回の当選が危うくなるからです。そうして政治がピリッとしてきます。ピリッとした政治、つまり議会があれば行政もピリッとしてきます。投票というわずかな手間を惜しまず、一人一人の投票行為が積み上がって投票率があがってくれば、それは巡り巡って市民の利益となって還ってくる、私はそう信じています。

 

 県議会議員選挙の期日前投票は始まっています。投票日は4月9日(日)です。ぜひ皆さん、投票をお忘れなく。

 

 それと、統一自治体議員選挙の後半戦は高崎市長・市議会議員選挙があります。どうやら市長選挙は無投票の公算で残念ですが、私も2期目の挑戦に名乗りを上げる予定です。

  

後援会事務所前にて

 

小学生、大荷物!

 今日は節分。明日は立春ということで、また気持ちも一新して活動に邁進してまいります。

 

 この頃、特に小学校の通学路を注視しています。2021年にあった八街での痛ましい交通事故をご記憶の方も多いことでしょう。酒気を帯びた運転者のトラックが、下校中の子どもの列に突っ込み、2人が命を奪われ、1人が重い脳障害を、2人が重傷を負わされた、あの事件です。あまりの理不尽さに行き場のない怒りに震えたのを昨日のことのように思い出します。還暦過ぎた大人が飲酒して子供とそのご家族を絶望に陥れる。絶対に許されないですし、二度と起こしてはならない事件だと思っています。このこともあり、日頃市内を移動している時も登下校中の小学生に注視しています(注:不審者通報されないよう、こちらも細心の注意を払っております)。

 いまだに横断歩道のない幹線道路を通学路が横断する場所などありますので、発見次第、関係機関と協議して改善・改良につなげるべく取り組んでおります。皆さんのお住まいの地域で「ここは危険では」という箇所ありましたら、ぜひ荒木までご一報願います。

 

 さて、今日は通学路の安全性を点検していて気がついた、「小学生、大荷物」の件です。特に月曜日の登校時と金曜日の下校時でしょうか。我々世代が子供の頃からそうだったと言えばそうなのでしょうが、改めて観察してみると、やはり荷物が多い。ランドセルには教科書、ノート、文房具に加えて例のタブレット。手には水筒、上履き入れ、ランチセット入れ、体操着入れ、児童によってはさらに図書バッグ。いずれも週末に洗濯したりするためなので、仕方がないのかもしれませんが、大変そうです。

 たとえば。これはまだ、私の中でなんら根拠を持っているわけではないので、ご批判・ご指摘などありましたら頂戴したいのですが、上履き廃止も考えて良いかもしれません。なぜ、いまだに学校で上履きと下足を分ける必要があるのか。災害発生時のことを考えると上履き廃止も一定の理屈が立ちそうです。それと体操着廃止もどうでしょう。授業はある程度自由な服装が許されるのに、なぜ体育の時間だけユニフォームがあるのでしょう。動きやすい格好であればOKとはいかないのか。

 

 まだまだ議論が必要な部分かもしれませんが、私なりに考えていこうと思います。

  

ランドセル、水筒、ランチセット、体操着、上履き、図書バッグ

 

第5回市議会定例会・一般質問

 あっという間に1年が過ぎ去ろうとしています。カレンダーは残すところ1枚となりました。なんという時の進みの速さでしょうか。ただただ焦るばかりです。

 

 さて、11月30日に第5回市議会定例会が開会しまして、現在会期中です。通称、12月議会です。12月議会は9月の決算議会、3月の予算議会の間にあるので、比較的目立った論点が無いように思われがちですが、市役所で新年度予算編成が佳境を迎えているタイミングで開催される定例会なので、新年度を見据えた議論のしやすい議会ですので貴重です。

 今回ももちろん、荒木は一般質問に登壇いたしました。通告しましたテーマは二つ。一つ目は「市街地開発について」としまして、高崎駅を中心とする市街地の開発、都市改造の状況についていくつか質問しました。二つ目は「社会福祉協議会との関係性について」としまして、地域福祉の担い手として大切な高崎市社会福祉協議会の自立性に着目して質問しました。

 一般質問の様子は下記にて録画配信されていますので、ぜひ御視聴ください。答弁の様子からも高崎市のスタンスがよく伝わるかと思います。

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 質問の骨子は下記の通りです(注:長文です)

 

(通告)「市街地開発について」

質問1-1「都市改造の状況」

 本市の高崎駅を中心とした一連の都市改造は土地区画整理事業と再開発事業の合併施工で成果を上げてきました。これは、土地区画整理事業で生み出されたまとまりの良い用地に高密度で高度利用の再開発建築物を立地させ、再開発建築物を呼水として周辺の土地利用を促すという一連の流れによって相乗効果を発揮してきたものと思います。

 昭和55年を都市計画元年とした都市改造もいよいよ完成の時期を迎えているように見受けられます。そこで、まずは現在施行中の高崎駅周辺地区における土地区画整理事業の状況と、再開発事業のこれまでの成果、それと今後の予定をお聞きしました。

質問1-2「土地区画整理事業の換地処分について」

 高崎駅周辺の都市改造は、高崎駅周辺(東口)地区を皮切りに城址周辺地区や西口線周辺地区などといった土地区画整理事業が実施されてきまして、そこに再開発事業が中部名店街B-1地区を皮切りとして駅東西で27地区が施行されて、現在のまちなみが作られてきました。

 再開発事業については今後も駅東西で1地区ずつ予定されているとのことですが、土地区画整理事業は駅東西で1地区ずつが現在も施行中とのことであります。高崎駅周辺(西口)地区の事業認可は昭和56年、東口第二地区の事業認可は昭和60年ですから、事業開始から40年ほどが経過しています。高崎駅を中心とした市街地は連綿と続けられてきた都市改造によって今の形となっていますが、残すところこの2地区の土地区画整理事業の換地だけとなっています。そこで、この2地区の換地処分に向けた現在の市の取り組み状況はどうか、お聞きしました。

(考察)

 土地区画整理事業は相手方のあることですし、個人の財産権に関わる問題で、市の思惑だけで進められない面があることもよくわかります。

 ですが、土地区画整理法による規制がかかり続ける状況からなるべく早く土地を解放して土地利用の活性化を図るべきと考えます。担当課においてはご苦労が多いことと思いますが、さまざま手法を駆使していただきまして換地処分に向けた道筋をつけていただきたいと思います。

質問1-3「高崎駅東西の市街地開発方針」

 古くから高崎駅周辺は西の商業、東の業務と言われてきました。全国の主要都市のターミナル駅をみても、駅を挟んで両側を同様に都市開発するというのは稀で、高崎駅周辺でも東西でそれぞれの特徴があって良いと思いますが、市では駅東西をどのような方向性をもって市街地開発を進める方針かお聞きしました。

 次に駅西口については、先ほど触れましたとおり土地区画整理事業の早期完了が望まれるところですが、ハード事業は完成形に達しています。これからは公共空間利用とソフト事業の充実が求められるところと思いますが、この点については市の方でも民間の方でも積極的に展開されていますのであえて何も申し上げることはありません。長い年月と労力を注ぎ込んで築き上げた都市基盤を存分に活用していただきたいと思います。ただ、どうしても気になるのはW1とW2です。どちらも平成2年に完了した再開発ビルで、諸事情があると聞きますが少し寂しい状況となっています。駅→オーパ→高島屋のラインと同じ条件が、駅→W1→W2に整っている訳ですので、これらストックをもう少し有効活用できないかと思います。一つの取り掛かりとして、W1に商工観光部を入れることや、W2地下に音楽関連を入れるなどして、新たな動線を作り出せれば、駅西の重層感が増すと考え、市の考えをお聞きしました。

 駅東西のメインストリートは中央コンコースです。平成17年に駅の東西改札が取り払われて中央コンコースが開通してからは、裏通りの感もある東西自由通路も使い方でさまざま可能性が見えてくる。往来する電車をウオッチングできるように窓を低くしてベンチを置くだけでも人々の集まる場所にできるのではないか。また、アートとの親和性も高い。壁天井もだいぶ傷んできて貧相なイメージとなっていることから、アートの力でイメージアップを図っても面白いのではないでしょうか。

 それに、路上アーティスト応援のために設けたステーションステージは今でも路上アーティストの方に利用されています。だいぶ放置されておりますので少しイメージダウンしている様子も見受けられますので、音楽のある街として一度テコ入れしてみても良いかと思います。

 市はこの東西自由通路をどのように捉えているか、お聞きしました。

(考察)

 高崎市は商工農のバランスのとれた複合的な側面を持つ都市だと思いますが、やはり表玄関は高崎駅であり、外から来た人々が高崎の魅力を図るのは駅周辺の賑わい景観にあるのだろうと思います。

 コロナ禍もこれまでと違うステージに徐々に移行しつつあり、私も日々観察していますが、休日それに夜間の人出もひと頃の活況を取り戻しつつあるように思います。こうしてこの難局も乗り越えつつある活力の底辺には、連綿と築き上げてきた都市改造の賜物でもあります。

 ひきつづき市には、一貫した方針を持って市街地開発を進めていただきたいと思います。

(通告)「社会福祉協議会との関係性について」

質問2-1「市からの委託・指定管理状況について」

 社会福祉協議会は民間の非営利団体ですが地域福祉・在宅福祉の担い手として大変大きな役割を担ってくれております。今般のコロナ禍においても社会福祉協議会の果たしてきた役割の大きさは今更上げるまでもありませんが、緊急小口資金、総合支援資金の特設窓口対応でも大変なご苦労があったことと思いますが、多くの市民の助けとなったところです。

 その社会福祉協議会は行政から自立して在宅福祉の視点から独自の自主事業を展開していただきたいところですが、市からの受託事業が大きな部分を占めているような状況も耳にします。

 そこで、現在の市から高崎市社会福祉協議会への委託事業を指定管理も含めて現状どうなっているのかお聞きしました。

(考察)

 中でも子育てSOSサービス事業は市民から好評であるようで何よりですが、その分、ヘルパーの方の負担が相当に高いという現場状況も伝わってきております。市の方でもヘルパーの適数配置に柔軟に対応できるよう協議してくれているとのことです。利用者にとって良い事業であるだけでなく、ヘルパーの皆さんも過度な負担を強いることのないよう、今後も適切に情報を交換していただき、より良い事業としていただくように要望しました。

質問2-2「高崎社協からの出向職員について」

 高崎市と社会福祉協議会の間では人事の往来があります。かつては高崎市の職員が社会福祉協議会に出向することもあったようですが、ここのところはありません。逆に社会福祉協議会から高崎市に出向する職員は今現在もありまして、社会福祉課と障害福祉課にそれぞれ出向しているようです。なにかしらの経緯があって出向しているのだろうと思いますが、このことが社協本体の業務停滞に繋がらないか心配をしております。まずは、どういった理由から出向してもらっているのかお聞きしました。

 また、本市へ出向してくれている社協職員の処遇と待遇はどのような配慮がされているか、合わせてお聞きしました。

(考察)

 自立相談支援事業は地域に根ざした寄り添いが求められることもあって、地域福祉の担い手である社会福祉協議会の人材に頼らざるを得ないことは理解できます。手話通訳者2名についても派遣事業を移管したことによるものと、これもある程度理解ができます。しかしながら、全体で100名少しの高崎市社会福祉協議会から6名もの出向者を出しては、日常生活自立支援事業などが手薄になってしまうのではないかと懸念されます。

 また、出向していただいている社協職員の処遇と待遇についても説明していただきました。社会福祉協議会の規定による給与額の相当額を市が負担しているとのことです。このあたりの仕組みにも懸念材料があるようにお聞きしていますので、適切な負担額となるように市と社会福祉協議会で緊密に連携していただきたいと思います。

質問2-3「高崎市社会福祉協議会の自立性について」

 行政の提供する福祉と社会福祉協議会の提供する福祉は役割といいますか、切り口が違います。1951年の社会福祉事業法の立法経緯や、制度確立当初から財政基盤があいまいだったこともあり、行政の関与が色濃い側面はあるものの、本来社協は地域福祉の担い手として自立して福祉を展開していただきたいし、もっと自主事業にも取り組んでいただきたいと願っています。しかし昨今は、グループホームや児童発達支援施設を閉鎖するなど、事業縮小の話ばかり耳に入る状況です。それぞれ理由はあるのだと思いますが、残念なことと思っております。

 採算の取れない事業であっても取り組まなければならないという、社会福祉協議会ならでは特殊事情があるため、市からの補助金に頼らなければならない仕組みとなっているが、市からの補助金はどのような積算根拠に基づいているのかお聞きしました。

 高崎市社会福祉協議会は、単なる高崎市の福祉の補完機関ではなく、社協らしさを大いに発揮していただくことが市民の利益にも適うと考えるが、高崎社協の自立性について、市の考えをお聞きしました。

(考察)

 高崎市社会福祉協議会の自立性についての認識は共通しているようです。御答弁にありましたとおり、さらに連携を図っていただきまして、高崎市社会福祉協議会らしさを大いに発揮して地域福祉を潤わせていただけるよう、市からも積極的な支援を要望しました。