「明日の高崎」荒木征二

高崎市議会議員・荒木征二の日々を書き連ねています。

防災ラジオ

 連日夏日が続いていて、どこまでも夏が続いていくような錯覚をしてしまうところですが、カレンダーは着実に進んでおりまして、今日は9月の定例会開会日です。この夏もいろいろなことがあって、ドタバタの日々だったはずなのですが、実際に何があって、何がどうしたというとよく思い出せないという健忘状態の荒木です。夏バテが続いているのでしょうか・・

 

 さて、9月定例会のご報告もしたいところですが、今回は防災について少々。関東大震災から100年、今年はテレビでも新聞はじめ多くのメディアが関東大震災を大きく取り扱っていました。私は関連して、藤岡事件・倉賀野事件などがあらためて脚光を浴びていたことが印象的でした。

 本格的な夏が過ぎますと、これから10月にかけて大雨・台風が心配な時期となります。2019年台風19号の記憶はまだ鮮明です。台風19号は、様々な教訓を本市に残しましたが、その教訓の一つ、情報の伝達を取り上げたいと思います。河川氾濫の心配のない地域にお住まいの方にはあまり関心はないかもしれませんが、河川近くに住まう我々にとって、雨量と河川の情報はとても大切です。当時、本市には(一部をのぞいて)防災無線は整備されていませんでしたので。市役所も公用車を数多く出動させて、防災情報を放送してくれていましたが、いかんせん雨が激しく降っている状況で、屋内にいると何を放送しているのか全く聞き取ることができませんでした。テレビでは台風情報を流し続けていましたが、あの時私たちが欲した情報は、「烏川は大丈夫なのか?」の一点でした。もちろん、氾濫の危険に晒されている状況で川の様子を見に行ってはならない、というセオリーはよく知っていましたが、烏川が氾濫するか、その心配があるのかないのか、ピンポイントの情報はテレビは伝えてくれませんので、結果として多くの人が土手を登って烏川の様子を見に行っていたのです。実は私もその一人で批判できる立場ではありませんが、あの時、あの状況におかれた経験のある方は、きっとその気持ちもご理解いただけるのではないかと思います。そして、決定的だったのがインターネットYahooの天気予報で烏川の氾濫危険情報の発令でした。当時の警戒度でたしか「4」というレベル(今は警戒度は改定されています)で、そのタイミングで多くの方が実際に避難行動に移したのだろうと思います。結局、高崎市が私たちに(実際に届く形で)提供してくれた情報はとても小さく、少ないものでした。

 私が台風19号を経験して、つくづく感じたのは情報不足です。それも、地域の人々にとってのピンポイントの情報を、タイムリーな情報をです。ですから私は以来、防災ラジオに注目してきました。実は、私の両親が住まう埼玉県の某市にも防災ラジオが各家庭に配布されていて、よく見てきました。なんとアナログな!と眉をひそめる方もいるかもしれませんが、災害時にアナログほど強いものはないと思っています。本市にはラジオ高崎というコミュニティFMもあることですし、防災ラジオに適した地域性ではないでしょうか。両親の家にある防災無線、防災無線とはいえ結構有益な情報を流しています。感心したのは、「現在◯○地域に特殊詐欺電話が入っていますのでみなさんご注意ください!」というような情報がタイムリーに流れてくるのです!

 

 本市でも複数の議員さんが防災ラジオの採用を訴えておられますが、いまだ実現の見通しは立っていません。画像は先日、伊勢崎市さんが採用方針と伝えた8月の上毛新聞です。高崎市も、他の都市がやっていることはやらない、などとつまらぬことを言わず、率直に必要なことをそつなくできる体質にあらためていってほしいと思います。高崎市には防災ラジオが必要です。もちろん、希望するご家庭にだけ配布すれば良いのです。みなさんはどうお考えでしょうか?