「明日の高崎」荒木征二

高崎市議会議員・荒木征二の日々を書き連ねています。

豪雨+河川氾濫

 いよいよ今年の出水期も本番期を迎えようとしています。すでに九州各地は7月上旬から続く豪雨により、そして昨日は山形県など東北各地で豪雨による河川の氾濫被害が報じられています。

 温暖化と気候変動。この国の夏は、かつて私たちが知っている、私たちが過ごしてきたそれとは全く別のものとなりました。2018年の災害級の猛暑もそうでしたが、雨の降り方も以前のそれとは比較になりません。

 一時はよく耳にした「ゲリラ豪雨」という単語がすでに使われなくなっていきつつあるように、豪雨はもはや特別なものでなく、ましてや「ゲリラ的」であることをわざわざ強調する必要もなくなったのでしょう。

 これからも、日本のどこかで「ゲリラ的に」線状降水帯が発生することでしょう

 この国のどこかで確実に豪雨+河川氾濫の被害が発生している、それが今わたしたちが置かれている状況であり、(いまのところ)今年は高崎は被害が発生していませんが、それは単なる奇遇でしかありません。いつか必ず高崎も豪雨+河川氾濫の災害に見舞われるのだと、しっかりと現実を直視しなければなりません。

 現に昨年も7月に豪雨、そして10月には記憶に新しい台風19号によって大きな被害を被っています。

 

 私たちより上の世代に皆さんには肯いていただけると思うのですが、かつては災害といえばまずは地震でした。昔から東海地震東南海地震が来るぞ来るぞと言われて、学校での避難訓練といえば地震災害を想定したものが定番だったように記憶しています。たしかに地震は最も恐るべき災害の一つです。しかし、毎年やってくる脅威という点から考えると、豪雨+河川氾濫という災害は今や、災害想定の中でもっとも重要な部分を占めているように思います。

 

【自助・共助・公助】

 さて、話は変わりますが、災害対応というと「自助・共助・公助」ということが盛んに言われています。2016年熊本地震を契機として、その声は大きくなったように思います。この「自助・共助・公助」は時系列で考えるとイメージしやすいのではないかと思います。

 

 平時の自助・・・日頃からの備えです。非常時持出袋を用意したり、万が一の際について家族で話し合っておいたり。平時から備えられることは多くあります。これらは自助に委ねられています。

 

 災害前後の公助・・・豪雨+河川氾濫の水災害であれば、ある程度の予測が可能です。災害情報の発信から避難所開設。この部分はどうしても公助に期待せざるを得ません。

 

 発災後の共助・・・これまでの各地の激甚災害地から教えられるのは、災害発生後の共助の大切さです。実際に発災したときにすぐに共助の力が発揮されるかは、やはり日頃からの準備が必要ではありますが、時系列上で最も求められるのは、発災後と思います。

 

 この中で、私が最も重く受け止めているのはやはり公助に期待される部分です。自助と共助が大切、ということは重々承知ですが、その礎は公助によって築かれると考えているからです。

 

 

 今年も迎えた心配だらけの夏。私は常に災害対応を頭に置いて備えていこうと思います。『災害に強い町』は災害が起きない町ではなく、災害があっても市民の生命が守られる町なのだと考えるからです。

  

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