「明日の高崎」荒木征二

高崎市議会議員・荒木征二の日々を書き連ねています。

ヤングケアラー

 「ヤングケアラー」という言葉、今年3月、厚生労働省から調査結果が公表されてから一気に認知が進んだように思います。ここでは詳述しませんが、厚生労働省のHPに10類型が例示されていますのでご参照していただければと思います。

ヤングケアラーについて

 

 さて、本日市議会では「子育て・定住促進特別委員会」が開催されまして、この「ヤングケアラー」への支援策(案)が示されました。今年度中に予算化、来年度からスタートさせたいとのこと。他者への世話(内容は実に様々)のために勉強する時間がない、同世代が普通にしていることができない(スマホで動画を観る、とか)、そして最悪通学ができないでいる児童生徒に手を差しのべる、大変意義深い施策です。ヤングケアラーの存在に光が当たってまだ間もないにも関わらず、こうしていち早く施策として形に示してくれた高崎市教育委員会に敬意を評したいと思います。

 実際に施行されるのは来春ですので、実施内容の充実をお願いしたいと思います。他の議員さも指摘されていますが、私が気にしているのは次の2点です。

1.高校生も対象にしていいますが、高校は市の教育委員会の所管外(1校をのぞいて)ですので、対象者の把握にひと工夫していただきたい

2.(いまのところ)支援の上限は週二回まで、一日2時間まで、となっています。しかし、ヤグケアラーの方々の“お世話”はおそらく、四六時中、365日のことと思われますので、ケースバイケースで柔軟に対応していただきたい

 

 いずれにしろ、学業の公平を保つ意味でもとても意義深い取り組みですので、私も応援していきたいと思っています。

 

 ところで、実はここからが本題です。今回、市教育委員会はこれの制度設計にあたり事前調査を実施しています。この事前調査、厚生労働省が示した調査結果(当然、全国版)の裏付けを得ること、そして市内の実態を把握することを目的として実施したようです。で調査、この春、全児童生徒に配布したタブレット(GIGAスクール)を活用して実施しているのです!

 タブレットを活用して、直接教育委員会に回答が寄せられ、教育委員会が直接集計しています。どの学校の誰が回答したものか一切特定ができない、極めて匿名性の高い方法を採っています。これって、タブレットの使い方として大正解ではないでしょうか。従来のやり方ですと、教職員によるヒアリング(聞き取り)やアンケート調査(紙媒体の)となるでしょうが、個人の匿名性を保つことができません。それに、疑ってはいけませんが回答の集計分析も学校によって違いが出てきても不思議ではありません。とてもナイーブで繊細で、場合によっては本人を傷つけてしまうこともありうるこの種の調査を、タブレットを使って実施してくれた教育委員会には、本気で拍手を送りたい思いです。教育現場でのタブレットの効用に新しい一手を加えてくれたものと思います。

 さらにナイーブな問題の把握、たとえば『いじめ』の把握などにもこのタブレットを使った実態調査が有効ではないかと思いますので、今後の研究をお願いしたいと思います。

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本文と関係ありませんが、今日は久しぶりに夏らしい日になりました