「明日の高崎」荒木征二

高崎市議会議員・荒木征二の日々を書き連ねています。

令和2年度第1回定例会(3月定例会)

 市議会第1回定例会(3月定例会)が3月18日に閉会となりました。いわゆる予算議会と呼ばれる定例会で、もっとも重要な定例会と言って良いかと思います。市議会の最大の権能はなんといっても予算の議決です。私も、教育福祉常任委員会の委員として付託された所管分について、しっかりと審議させていただきました。新型コロナの影響が色濃くなりつつある時期でもあり、常以上の緊張感をもって臨ませていただきました。全体としては堅調な予算編成と評価して良いかと思います。一部、見通しの不鮮明な事業も見受けられるのですが、これらについては、新年度もしっかりと注視し、課題があるようでしたら9月の決算議会で問題提起させていただこうと考えています。

 

 さて、今回議会は予算審議が重要でしたが、本会議での一般質問の方も一切手抜かりなくさせていただきました。

 一般質問の様子は録画配信されていますので、興味のある方は↓↓でご覧ください。

takasaki.gijiroku.com

 

 今回の一般質問のテーマは大きく「中心市街地」と「福祉サービス」の2点でした。ダイジェストを掲載し、その報告とさせていただきます。

 

中心市街地について】

1 中心市街地の居住人口について

(1)全国の中心市街地が壊滅的に衰退する中、高崎駅を核とする中心市街地はかつてほどではないものの、その魅力は失われていない。

 しかし、高崎も中心市街地に多少の陰りがあるのは事実である。それは社会構造の変化と1.57ショックにはじまる少子化とそれによる絶対的な人口減少の影響であると考えられる。

 その点から考えると、高崎の中心市街地がこれからも魅力あるものとして機能していくためには、外から人を招き入れるということと、それ以上に中心市街地の居住者数を維持、あるいは増加させていくことが大切と考えるが、中心市街地における居住人口は近年、どのように推移しているか? また、市として中心市街地の居住人口はどのように考えているか?

 

(2)中心市街地はおおむね商業地であり、住宅地とは環境が異なる。小中学校に加えて近年は市の努力によって保育あるいは高齢者福祉の面でも環境はかなり向上している。しかし、一般的な住宅地と決定的に異なるのが環境基準である。騒音や振動に対する商業地の環境基準は一般に緩めの指定となっていると思われる。商業地であることから賑わいや喧騒は当然のことであるが、ある程度、発生の抑制は考えていかなければならないのではないか。特に、大音量を発生するカラオケ店あるいはカラオケ設備を有する飲食店については、音が外に漏れ出ることがないように防音設備を設けるような指導、あるいは規制も考えるべきだと思うが、市の見解はどうか?

 

2 中心市街地に集積する都市機能と移動手段

 (1)都市改造がひと段落して、中心市街地は一つの完成形を迎えたものと思う。小売、飲食、生活用品、文化・芸術といった機能の集積に加えて社会教育施設医療機関と様々な都市機能が集積しているし、大型店も頑張ってくれている。

 いよいよ高崎も完成形に近づいているように思うが、市として中心市街地の整備方針をどのように描いているか?

 

(2)とにかく、高崎駅に到達することができれば徒歩圏内でも機能は十分に集積しているし、そこから都心循環線、お店ぐるりんタクシー、高チャリなど移動手段に選択肢も出てくる。

 高崎駅までの移動は一義的に自家用車があるが、鉄道・バスに期待される部分も大きい。特にバスは近い将来、自動運転の時代が来るもの思うし、現に前橋市等県内でも路線バスの自動運転化の実証実験も始まっている。それらも合わせて考えれば、これからも路線バスが分担すべき交通量は一定数あるものと思う。

 そこで現在のぐるりんを含めた、高崎駅を起終点とする定時バス運行路線の路線数とダイヤ数の推移、そして今後の市の対応方針はどうか?

 

3 限られた土地の有効活用について

 (1)一連の都市改造の流れの中で土地区画整理事業などが実施された地区については、効率よく土地が利活用されていると思われる。一方で、古くからの街ではやはり、土地の区画が不整形であり、道路の接続が不確定であるなどが要因となって、建物の更新が容易に進まない状況が見受けられる。高崎も土地区画整理を縦横に活用して都市改造を進めてきたが、これ以上の土地区画整理事業の施行は現実的ではない。一括りに中心市街地といっても居住人口の集積という面からはムラを生じさせている。

 その原因の一つとして「空き家」問題があると思う。「空き家」の中でも資産価値のあるものは良いが、いわゆる管理不全空家がこれから大きな問題になってくると考えている。

 「空き家」の問題ともう一つあるのが細街路だ。区画整理が実施されていない土地に共通の課題として中心市街地にあっては、幅が4mに満たない道路が多く存在すると思う。それに対しては、建築基準法に基づく道路関係規定ネックとなって建て替えなどの建築が難しい状況にあると聞くが、これらの活用について市の考えはどうか?

 

【福祉サービスについて】 

1 放課後等デイサービス

 (1)従来の児童デイサービスは2012年に児童福祉法に一元化され、放課後等デイサービスが誕生した。以降普及が進み、全国に施設数が急増するとともに利用者も急増してきた。高崎市内においても放課後等デイサービスの普及が進んでいることと思うが、現在市内には事業所の展開状況はどうか? また、近年の利用者動向はどうか?

 

(2)制度化されて10年に満たない新しい取り組みでもあり、各事業所が試行錯誤の中にある。就学児であれば手帳の有無に限らずサービスを利用することができるため、現場では様々な事情を抱えた児童を受け入れている実態がある。発達障害適応障害を抱えた児童を受け入れている事業所も多いと耳にするし、放課後といいつつも午前中から受け入れている事業所もあると聞く。特に、共稼ぎの世帯で悩みを抱えている世帯にとっては、非常に有効な制度になっていくことと思う。

 その中で深刻なのは、いわゆる困窮世帯の子どもたちである。中には食事を提供する事業所もあるが、その一食がその子にとってその日の唯一の栄養源であるようなケースもあるようで、当然のことながら一食数百円が支払えない切羽詰まった状況にある。事業所の自助努力にも限度がある中で、児童も食事提供加算(食事提供体制加算対象者)の対象とすることができれば、多少なりとも状況改善になるかと思うが、現在の対応はいかがか?

 

(3)放課後等デイサービスの運営にあたっては学校との連携が不可欠である。特に送迎がある場合には下校時にトラブルなく円滑にデイサービスにつなげていくことが大切で、その点については各校で保護者との調整も含めてご苦労をいただいているところと思う。先ほどの問いと関連するが、児童が放課後等デイサービスを利用した際の学校での取り扱いだが、一部の学校ではサービス利用を出席と見なすような運用をしていただいていると聞くが、実態はどのように運用しているのか?

 また、悩みを抱えた児童とその家族を福祉サービス、そして学校とをコーディネートする働きをSSWの方が担ってくれている。昨年、6人に増やしていただいたところだが、全体83校を6人でカバーするというのは厳しいと考える。現在のSSWの一人当たりの担当校の数と負担について、そして今後の増員の考えなどあればお聞きしたい。

 

2 公共施設と合理的配慮について

 (1)放課後等デイサービスは、放課後児童クラブ(学童クラブ)や児童館の後方支援施設として位置づけられている。学童クラブについては市も精力的に取り組んでいただき、ほぼ各校対応が完了している。一方で児童館は市内に5館を数えるだけである。しかし、児童館は37万都市としては少なすぎる感がある。児童厚生員による指導は子育て支援として有効であると思いますし、もう少しあっても良いかと思うが、市の考えはどうか?

 

(2)2016年に障害者差別解消法が施行され、公的機関の合理的配慮が求められる社会となっている。数ある公的機関の中でも、図書館は知る自由を保障する機関として大変重要であり、また比較的初期から「障害者サービス」を行なってきた。高崎市の図書館も実施していることと思うが、実際の現場はどのような状況か?

 

(3)図書館においても今後も通常の読書に困難を抱えた方や様々な障害を抱えている方々の利用もぜひ進めていただきたいと考えているが、進めるにあたっての課題は?

 

3 アウトリーチ支援員(ひきこもり)

 (1)12月定例会では、ひきこもりに悩む当事者または家族からSOSが発せられたときに、いかに行政として適切な福祉サービスを提示できるかにあると考え、現在の市のひきこもり相談に対する体制はどのようになっているかお聞きした。

 今回はすこし議論を進めて厚生労働省が進めようとしている複合課題の窓口一本化についてお聞きしたい。国は、介護や生活困窮、そしてひきこもりを抱えるなど問題を抱えた世帯に対して縦割りを排除すべく、市町村窓口の一本化を促し、体制を整える自治体に対して財政支援する考え方を示している。

 国の予算配分の動向も踏まえ、この厚生労働省の方針に対して市の対応はどうか?

 

(2)また、ひきこもり対策のアウトリーチ手法について市の見解をお聞きしたい。厚労省が戸別訪問を支援する自治体職員を配置する方針を打ち出しているが、本市の受け止めは?

 

 

 以上、長文でしたが3月定例会における一般質問の質問要旨を掲載しました。質問に対する執行部からの答弁につきましては、ぜひ録画配信にてご確認をいただきたいと思います。