「明日の高崎」荒木征二

高崎市議会議員・荒木征二の日々を書き連ねています。

JC例会「高崎移住計画〜ぼくらのCMアワード〜」

 3月につづいて高崎移住計画です。今回の例会は、まちCMのコンテストというスタイルで開催されました。計3本のまちCMがノミネートされました。どのCMも高崎愛いっぱいの見どころいっぱいで、素晴らしい仕上がり。みているこちらもホンワカしてきます。

 

【移住? 定住??】

 さて、JCの取り組みも、Get Back Action から考えるとかなりの時間と労力が移住計画に注がれています。ちょうど会場で配られたパンフレットに興味深い数字が載っていたので、この数字を考えつつ、高崎での移住というものをちょっとばかり考えてみます。

 

 まず、このパンフに載っていたアンケート調査結果です。いわゆるアンケート調査の有意性はこの際、ちょっと脇に置いておきますね。

 総務省がH26に実施したこのアンケートによると、東京在住の18~69歳男女1,200人のうち、実に4割の方が地方移住を希望していると、いう結果が出ています。18~69歳をひとまとめにしてしまうというのも、結構な荒技ですが、まぁ、そういうことらしいです。

 で、問題は移住を希望する理由です。こちらはマルチアンサーになっていまして、いちばん多い理由が「出身地であるから(37.9%)」ということになっています。さらに4番目に多かった理由には、「家族・親戚・知人など親しい人がいるから(27.7%)」がありました。

 

 いま、各地で移住者獲得の熾烈な戦いが繰り広げられています。長野県がすごいとか、いやいや島根の取り組みが先進的だとか、まずは海士町の取り組みに立ち返って考えれば、まずは人だ! とか。様々なレクチャーのようなものが飛び交っています。

 確かに、縁もゆかりもなかった人が、あるとき突然、その町に移住してくるということもあるのでしょう。Iターンっていうんですかね。特に、そういったケースはメディア(と、せんせい方)が大喜びするようなケースですし、感動的なストーリーもあったりします。

 

 でもですよ、東京在住者の4割が移住を希望していて、そのうちの4割が故郷に帰りたいと考えている。いや、もしかすると、"スローライフ"とか"自然に囲まれた生活"とか答えている人のイメージの中には、故郷が背景にあったりする人も結構いるかもしれません。

 だから、こう考えるのが無理がないと思うのです。移住計画の最大の顧客は、Uターン者だと。ですから、昨年、JCが掲げたGet Back というフレーズは、とても的を射たものでした。

 U・I・Jターンはいっしょくたに捉えるのでなく、まずはU、余力でJ、あわよくばI、というのが真っ当で自然、無理のない戦略ではないでしょうか。Uはそっちに置いておいて、J・Iにばっかり故郷のまちが躍起になっていたら、そのまち出身者の方にすると寂しいじゃないですか。「まずは、このまちの小中高をでた君に帰ってきてもらいたいんだ!」というメッセージがまず表に出ませんとね。

 

【まずは定住者を大切にする心】

 となると、一旦東京に出た(東京だけじゃないのですが、わかりやすく)人たちが「そろそろ高崎に戻りたい!」と強く思うようになるには、高崎に強い思い入れがあることが重要になってきますよね。

 高校3年間、雨の日も風の日もひたすら自転車漕ぎ続けて、トラウマだけが残った、なんてことにならないような社会の仕組みだったり。学生でも活躍できる場がいくつもあったり、ちゃんと自己実現ができるようになっていたりすれば、きっと高崎に帰ろうかと思いついた時の心理的障壁はぐっと低くなっているはずです。

 

 大学を卒業して5年10年、ちょっと東京に出ていたといっても、それはあくまで一時のことで、時期になれば高崎に帰ってきてくれれば、その人の長い人生からすれば、ずっと高崎定住者なわけです。だから、いまは東京に住んで働いているという人もガバッとひっくるめて『高崎定住者』と捉えてしまうことが大切なのです。東京行っちゃった奴なんかもうシラネ、じゃなくてね。

 いろいろとやり方はあると思います。東京在住でも希望すれは広報を送りますよ(さすがに有料かな)とか、「今度○○という委員会ができるのですが、高崎出身東京在住のあなたの視点が欲しいので、委員になってくれませんか?」とか。もちろん、はまゆう山荘は市民優待価格で利用できます、とかね。

 

【くるものは拒まず、だけど】

 宿場町だった高崎は、古くから「くるものは拒まず」の風土が浸透していて進取の精神が定着していて開放的、と言われます。たしかにそうだと思います。

 ただ、ちょっと悪い癖がありますね。くるものは拒みません、でも「去る者も追いません」では、ちょっと片手落ちですね。去る者は、追っかけまではしませんけど、ちょっとばかり世話を焼き続けるとか、いつでも帰っておいで~、高崎楽しいよ~ってメッセージは発信し続けることが(移住者がほんとに欲しいのなら)必要です。

 

【でもやっぱり、公共交通】

 ちなみに、先ほどふれた総務省のアンケートでは、移住における不安・懸念も聞いています。その理由の3番目には「公共交通の利便性」があがっています。耳が痛いですね ^^;

 

 

 なんだか、CMアワードとは全く関係のない話になってしまいましたね。ハハ

 

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