「明日の高崎」荒木征二

高崎市議会議員・荒木征二の日々を書き連ねています。

まちなかアウトリビング・ミライマ

 ついにこの日を迎えました。まちなかの公共空間を"今"、"居間"にしてしおうという、チャレンジ企画「まちなかアウトリビング・ミライマ」です。

【好きな場所で、好きに過ごす】

 さやもーるを好きな人たちと好きに過ごせる空間にしてしまう。
 たとえ、限られた時間のなかであっても、人々の「したい!」がこうして実現できてしまうことの、このなんとも言えない達成感。だれにも強制されないし、ここまでしないといけないという要求もされない。ダイレクトに商売ではないので、集客に躍起になる必要もない。
(経済的に回していけるようになることも、もう少し先には課題になってくるかもしれませんけど)

 とりあえず、このミライマに集まった仲間たちとの物々交換のようなかたちで、物とお金がぐるっとひと回りできてしまう。
 誰が儲けたの、誰が損を被ったの、ということが問題にならない、この居心地の良さ。まさに、居間に今いるようです。
 フリーマーケットとか、マルシェでも近い雰囲気を味わうことはできるのでしょうけど、今回のこのミライマはそれらとはちょっと違ってたんですよね。安定感というか、安心感の面でしょうかね。

 さっきも書きましたが、たとえばこのミライマを定例化しようとか、経済的に自立(たとえば、実行委員会化)させようとかに考えが発展した時には、必ずお金の問題が発生してきます。その時には、誰かが経済的に覚悟を持つことも必要になってくるでしょう。

 でも、今日のミライマは、だれもそんなことまで考えなくていい。そんなところが、安定感とか安心感とかに繋がってきたんじゃないかな。

【開店! BIBLIO LIVING】

 というわけで、ぼくはドローン・チャレンジのお手伝いをしつつ、PCチェアレースに参戦しつつ、主には「たかさきbiblioミーティング」でいつも一緒のメンバーで、『BIBLIO LIVING』を開店。
 仲間たちが持ち寄ってくれた34冊の本たちをテーブルに並べて、のんびり過ごす、というフワフワ企画でした。が、これまたいい!

 たしかに並んだ本をがっちり読んでたって人は少なかった。でも、本が並んでいる、というだけで発生するこの引力。本があって、その周りに人がいる(クラフトビール片手に!!)というだけで醸しだされる、賑わい。
 そこになんかある、というじわじわ広がる期待感。

 このあたりの雰囲気と空気感は、電子書籍にはけっして真似できません。

【ちいさな公共】

 さて、ミライマ。今日はさやもーるという、限定的な空間。限定された時間の中での出来事でしたが、ちょっと大げさに言えは、この瞬間のこの場所には公共があったな、と思うのです。

 原始的な話をすれば、井戸があって、その周りにその井戸を使う人がいて。そして、井戸を上手にしようと人々が話し合ったり約束したり。そんな、行政とか公務員が不在でもちゃんと成り立つ、普遍的なところに近い形状の公共が、このミライマには生まれたように思うのです。

 

 たしかに、さやもーるを好きなように使いました。ですが、沿道の生活車両をシャットアウトしたわけではありません。ちょっと窮屈な思いをさせてしまったことは申し訳ないのですが、通りたい、通るべき車両はきちんと通れる。そこにいる仲間たちも、通るべき車両がきちんと通れるように、椅子を動かしたり、バラソル避けたり。自転車も人も、ミライマは横目で見つつ、足早に通りすぎようとする人たちの動線は、なるべく邪魔をしない。

 この瞬間、ここにはまぎれもなく公共があって、そこに集う人々の関係性は、社会関係資本になっていた、と、思ったのです。

 

 こうした、ちいさな試み、ちょっとの勇気(と、ちょっとどころではない苦労・汗)を持った人たちが、ちょっと責任を負う覚悟が持てたとき、こうして前例にとらわれない営みがうまれてきて、人々の心を豊かにしてくれる。そんな公共がすこしずつ増えて、すこしずつ大きくなっていくことができたら、きっと高崎はもっと楽しく、もっと愉快で、そして、もっと豊かになってくるはずです。

 

 とりあえずは、ミライマ・メンバーでなるべく早くふりかえりをすることが大切ですね。

 

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